フレスコ画は、漆喰が乾燥しないうちに水で溶いた顔料で描く壁画技法

Fresco's Technique... フレスコ画の技法


フレスコ画はシンプルな材料(石灰、砂、顔料、水)でありながら、豊かな歴史性と高度な技術を要する古典技法です。

生乾きの漆喰を壁に薄く塗り、それが乾燥しないうちに水で溶いた顔料で描く壁画技法です。

漆喰中の石灰水が空気中の炭酸ガスと触れ、半透明の被膜を作る

壁が乾くにつれ、漆喰中の石灰水が蒸発し空気中の炭酸ガスと触れ半透明の被膜を作ります。こうした原理により接着剤の成分を含まない絵の具を壁面に定着させることが出来ます。

フレスコ画の特殊技法 Strappo(ストラッポ)

Mariani社のフレスコ画はこのようにして出来たフレスコ画を彩色層のみを壁から剥がしキャンバス地に貼付するStrappo(ストラッポ)という特殊技法により仕上げています。

これにより今まで壁に直接描くことでしか装飾することの出来なかったフレスコ画が「飾り換えの出来る壁画」として楽しむことが出来るようになりました。

上段:高度な技術を要する、金箔を使ったフレスコ画の施工 下段:フレスコ画の鮮やかな色彩、優しい肌合

アーティストの立場から見たフレスコ画とは...

絵を描くことと同時に、漆喰地に関する知識と素材への慣れが必要になります。しかし、この基礎技術は相当数の制作を経験しないと習得が出来ません。 なぜなら、顔料の定着は漆喰の化学変化によるもので、漆喰は個体差があり、気温や湿度等によりその性質が一定ではありません。

加えて、描画中の化学変化の進行は顔料の定着を変化させる為、連日描き続けることでしか技術を保てません。 他の絵画技法に較べ短時間で制作しなければならず、そして描き直しも出来ません。

アーティストは勢いを保ち一気に制作をします。結果として緊張感のある絵の世界になると言われています。


鮮やかな色彩、優しい肌合、そして高度な耐久性はフレスコ画独自のものであり最大の魅力です。歴史性豊かなフレスコ画を是非、現代の室内空間でお楽しみ下さい。